「脂肪」といわれているのは、中性脂肪(トリグリセライド)なのです。
脂肪組織は部位によって皮下脂肪・内臓脂肪などと分類されていますが、いずれも中性脂肪が蓄積したものであるのです。
中性脂肪の主な役割 は、以下のようになります。
●エネルギーの貯蔵
体内に蓄積される中性脂肪は、エネルギーが不足すると、遊離脂肪酸に分解されて血液中に放出され全身に運ばれます。そして体内各部分の細胞が正常に活動するためのエネルギー源となるのです。
1グラムあたり
糖質⇒4kcal たんぱく質⇒4kcal 脂肪⇒9kcal と、糖質、たんぱく質に比べても、大変優れたエネルギー源になります。(肥満の方にとってはかなりのカロリー源ですが)
ちなみに、1キロカロリーは、水1リットルの温度を1度上昇させる時に必要となるエネルギーのことです。わずか1キロカロリーの違いでもエネルギーとして見ると大変な違いになります。
脂肪1gを燃焼させるためには、中性脂肪の場合、0℃の水1リットルを9℃にまで上昇させるだけのエネルギーが必要になってくるのです。大変な量のエネルギーなのです。
●体温維持
寒さから身を守り、体温を一定に保つ役割りを果たします。衝撃から体を守ります。
寒さから身を守り、体温を一定に保つ役割があります。
体内の中性脂肪の量が極端に減ると、体温の調節機能に障害が出ます。
●内臓を外部の衝撃から守る役割
多少何かにぶつかっても、「痛い」だけですんでいるのは、中性脂肪のおかげなのです。内臓など体内の重要な器官を衝撃から守るクッションのような働きをしています。(あまりにも激しい衝撃の場合は別です。気をつけましょう)
脂肪細胞から多くの生理活性物質が分泌されていることが近年の研究からわかってきています。これらの物質は、アディポサイトカインと呼ばれています。 (ちなみに。「アディポ」というのは脂肪という意味です。)
アディポサイトカインは、身体の様々な機能を維持する為に重要な役割を果たしています。
中性脂肪が多すぎたり、少なすぎたりすると、アディポサイトカインのバランスが崩れ、ホルモンの分泌や免疫系、血液の状態、生殖機能などに様々な障害を引き起こす恐れがあります。
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